東京都では、より効果的な起業家支援環境の実現に向け、令和6年度よりインキュベーション施設運営事業者向けのコミュニティ「INCU Tokyo」を開始しました。
この度、コミュニティ内の取組の一つである、インキュベーション施設内の人材育成及びネットワーキングを目的とした「インキュベーション人材養成講座」のDay1をDeloitte Tohmatsu Innovation Parkにて開催しました。
本レポートでは、当日の様子をご紹介します。
アイスブレイク
受講者の様子
講座のアイスブレイクとして、2人1組ペアでの自己紹介と、4人グループでの他己紹介を実施しました。23区内や多摩地域など都内様々なエリアのインキュベーション施設から集まったインキュベーションマネージャー同士で、自己紹介やネットワーキングを行う時間となりました。
講義 イントロダクション
講師 加藤 翼 氏
講師である加藤氏より、講座のイントロダクションとして、コミュニティの定義や種類、コミュニティ論の変遷や、コミュニティマネージャーの定義、インキュベーションマネージャーのプロフェッショナリズムについてお話がありました。
具体的な各論に入る前に、そもそもコミュティとは何なのか?どういう歴史があるのか?といった総論・理論的な視点から“コミュニティ”についても言及いただきました。
講義 コミュニティ思考
講師 加藤 翼 氏(株式会社qutori)
イントロダクションに続き、講師の加藤氏より、コミュニティとチームの違いや、コミュニティを構成する骨格についてお話があり、コミュニティが効果的に機能する場面として、以下の4点が紹介されました。
- 目指すアウトプットが不確実で、偶然性に依拠する
- 参画するメンバーが流動的であり、自主的に動くことが期待される
- 多様な役割での関わりができる(参加しないことも許される)
- ネットワーク効果でスケーラビリティを生む
続いて、コミュニティ思考を培うための4つのエッセンスについて、学術的な理論や実例等も交えつつお話がありました。心理的安全性がコミュニティにもたらす効果をふまえたコミュニティ内の緊張感をコントロールする必要性や、ナッジ理論をふまえた人々を行動づける環境デザイン、コミュニティが扱う事象の複雑性など、参加者からの質疑にも応えつつ約1時間の講義を行っていただきました。
ワーク
講師 和田 早矢 氏、張ヶ谷 未来 氏(バ・アンド・コー株式会社)
講義への理解をより深めるための時間として、参加者の皆さんにはワークに取り組んでいただきました。ワークのお時間は、加藤氏に代わり和田氏、張ヶ谷氏の進行のもと、あらかじめ参加者に対してご案内されていた事前課題を題材にグループワークを実施しました。
グループワーク開始前には座席の移動を行い、アイスブレイクに続き、インキュベーションマネージャー同士でのネットワーキング機会の創出となりました。Day1の事前課題は「担当拠点におけるターゲット、そこにおける自分の役割」に関するものであり、参加者が事前に検討してきた内容を基に、4~5人のグループに分かれて共有を行いました。全グループ会話が途切れることなく、活発に意見交換が行われている様子が窺えました。
交流会
プログラムの最後には、参加者同士の交流を深めることを目的に、交流会を開催しました。講師への個別質問や、参加者間での自由交流が行われました。
追加で名刺交換を行う方々も見受けられ、今後のINCU Tokyo登録施設間の連携に向けて効果的なネットワーキングの場としてご活用いただきました。
インキュベーション人材養成講座について
「インキュベーション人材養成講座」は、インキュベーション施設運営の現場に関わるマネージャー向けに、インキュベーションという全体像及び起業家・スタートアップに関する理解、コミュニティと施設運営のノウハウについて学ぶと同時に、インキュベーションマネージャー同士の相互のネットワークの構築を目指しています。
登録施設のインキュベーションマネージャーや運営スタッフを対象とし、全6回構成での開催を予定しています。
INCU Tokyoでは、今後も各種イベントの開催や登録施設向けの支援を予定しております。
インキュベーション施設運営者の方で、ご関心をお持ちの方は、ぜひ下記よりINCU Tokyoへの参加をお待ちしております。