Interview

インタビューを受ける望月氏
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会員のビジネスのために何ができるか?単なるオフィスを超え、「人」の力できっかけを創り出す

ビジネスエアポート渋谷サクラステージ

新たなビジネスが飛躍する場として、都心を中心に展開する会員制シェアオフィス「ビジネスエアポート」。その強みは、単なるワークスペースの提供ではなく、人を介した「共創」にあると語るインキュベーションマネージャーの望月氏。最新拠点「渋谷サクラステージ店」の魅力やブランドがめざす未来に迫ります。

プロフィール

2001年宝飾メーカーに入社し営業職を経験後、2008年スポーツ系ベンチャー企業に転職。広告事業やスクール事業に従事した後、2017年ライフ&ワークデザイン株式会社へ入社。店舗経験を経て、現在は企画部門にてブランドのサービス設計やオペレーション構築を担当している。

気軽に相談できる“パートナー”と共に、新たなビジネスを飛躍させる場

ビジネスエアポートの内観

まずは「ビジネスエアポート」ブランドの概要を教えてください。

東急不動産が運営する会員制シェアオフィスで、「飛躍を求める、すべてのビジネスパーソンへ。」をコンセプトに、さまざまな目的を持った方にここからビジネスを飛躍させてほしいと“国際空港”をイメージした名前を冠しています。新規ビジネスに取り組む方々が安心して人をお招きできるよう、自社スタッフによる高いホスピタリティと上質な空間を提供。都内を中心に20店舗を展開し、エリアごとに特徴のある施設設計を行っています。

開業から11年目を迎えた現在は「Work with Office. まるでパートナーのようなシェアオフィス。」という新たなキーメッセージを掲げています。単なる場所の提供を超えて、会員さまのビジネスパートナーになれるようなシェアオフィスに生まれ変わっていこうと、新たな価値提供に注力しているところです。

その中で「ビジネスエアポート 渋谷サクラステージ」の特徴はどのような点にあるのでしょうか?

2024年7月に開業した最新の施設で、渋谷駅より徒歩1分の大規模複合施設「渋谷サクラステージ」の7階に入居しています。特徴的なのは、スタートアップ企業と大学機関との交流・連携を通じて最先端技術や知識の発信をめざしている点です。とくにDXなどの分野において、知見を持った方を招いてのイベントを今後定期的に実施する予定です。

また、同じフロアに国際医療施設や「SHIBUYAウェルセンター ワーカーズラウンジ」が併設されているため、健康・医療関連企業の事業発信機会や、健康に関連したイベントも実施しています。施設の内装も医療施設との併設を意識し、ピンクや緑を基調とした優しい雰囲気となっています。

具体的な支援内容について教えてください。

まず、事業にかける想いや今後の計画、当施設に期待することなど、面談を通じて会員さまのニーズを把握することからスタートします。その上で、事業成長にあたって継続的な支援が必要な方に対しては定期的な面談を実施。そのほか、イベントや事業PR機会の提供などを行っています。

会員同士の交流を生み出すためには、定期的に拠点内での交流会やコミュニティサイトの運営を行っているほか、新たに「メンバーズマップ」を導入予定です。これは、入居者が自己紹介できるボードで、イベントに参加しなくても近隣の入居者がどんな仕事をしているのかを知ることができ、コミュニケーションのハードルが下がると期待しています。

ビジネスエアポートの強みは何だとお考えですか?

「人を介したサービス提供」が最大の強みです。会員さまからも「スタッフの距離感がちょうどいい」と評価いただくお声が多く、馴れ合いすぎず、かしこまりすぎず、相談や雑談がしやすい、良い意味でちょっとおせっかいなメンバーが多く在籍しています。

何かあったときの相談相手として、私たちスタッフを気軽に話せるパートナーのように思ってもらえたら嬉しいですね。日常的なコミュニケーションの中から新しいアイデアが生まれることもありますから。一方的なサービス提供ではなく、会員さまの想いを汲み取り、共創することで、より良いものを生み出せると考えています。

起業家や企業との「共創」の可能性に惹かれて──シェアオフィス業界への挑戦

望月氏の仕事風景

望月さんがインキュベーション施設に関わることになった経緯を教えてください。

営業やスクール事業などさまざまな経験をしてきた中で、これから成長していく業界ということでシェアオフィスに興味を持ちました。とくに惹かれたのは、当社が大事にしている「共創」というコンセプト。過去に会員制サービスを手がけていたこともあり、事業者の方々と共に新しい価値を生み出せる可能性に魅力を感じ、会社や業界が成長していく過程を見たいと思いました。

また、実際に施設を見学した際、想像以上の高品質な空間と、熱意のある会員やスタッフの姿に感銘を受けたんです。ここでどんなイノベーションが生まれるんだろう、私もそこに関われるのかなというワクワク感からチャレンジを決意し、2017年にライフ&ワークデザインに入社しました。

入社後はどのようなご経験を積まれたのでしょうか?

最初は品川店の運営スタッフとして配属され、半年後に新店舗開業に伴い異動。その後、フロントマネージャーや店長としてステップアップし、2020年からは4店舗の統括を担当することになりました。

その後、2023年に運営企画グループに異動し、現在は事業全体に関わる業務を担当。具体的には、運営課題に対するオペレーションの改善、新サービスの企画・開発、既存サービスの育成と認知度向上、価値創造に向けたスキーム作りなど、ブランド全体に関わる取り組みを行っています。

会員と施設、会員同士……対話や工夫を重ね「つなぐ」ことで生まれる可能性

入居者の相談に乗る望月氏

これまで支援を行ってきた中で印象に残っていることを教えてください。

会員企業さまと当施設との協業で「荷物預かりサービス」を展開した事例です。会員企業さま側のサービスを拡大させたいという想いと、当施設の空きスペースを活用できるという双方のニーズが合致し、トライアル期間を経て、2025年4月からビジネスエアポート全店での展開を予定しています。

とくに渋谷エリアでは高い需要があり、まちづくりの観点からも発展の可能性がある取り組みなんです。最終的な成果の判断はこれからですが、会員企業さまの事業を全力で応援するという事例が作れた点で、実現できてよかったと感じています。

そのほか、海外ビジネス交流会での事例として、タイと日本間のビジネスを手がけている事業者と日本の抹茶製造事業者とのマッチングも挙げられます。タイでお茶関連のサービスを提供している企業を紹介してもらうなど、新たなビジネス機会の創出につながりました。

交流会では、事前に参加者の事業内容や傾向を調べ、当日の席の配置やグルーピングを調整するなどの工夫も行っています。それにより、たとえば梱包材を扱う企業と製造業者がマッチングするなど、イベントのたびに会員さま同士のつながりが生まれています。

新たなビジネス創出のために心がけていることはありますか?

私たちには高度な専門知識はないものの、会員さまから教えていただく情報を活用して、新たなつながりのきっかけを作ることが役目だと考えています。会員さまのことを深く知り、こんなことはできるかな?と考えを巡らせ、つながりを生む具体的なアクションを起こすことを常に意識しています。

起業家や企業と共創することのやりがいを教えてください。

会員さまと一緒に「こういうことができないかな」と考える時間はとてもおもしろく感じます。イベントの企画1つ取っても、対話しながら可能性を探り、実現に向けて私たちが動く。そして、会員さまが思い描いていた体験がかなった様子を見ると、本当にやって良かったなと日々やりがいを感じますね。

成長意欲のある企業や他施設と共に、変化し続けるシェアオフィスへ

ビジネスエアポートのイベントスペース

ビジネスエアポートとしての今後のビジョンを教えてください。

会員さまの熱意を高めるコミュニケーションを大切にしながら、共に価値ある機会を作り出せるパートナーを増やし、ビジネスエアポートというブランドを育てていきたいと考えています。

めざすのは、会員さまと共に、時代や状況に合わせて常に変化し続け、さまざまな場所で新たなビジネスの火種が生まれるようなブランド。サービス提供者という立場を超えて、会員さまとWin-Winな関係性を築き、それぞれのニーズに合わせて創造やつながり、きっかけが生まれ続ける場にしていきたいですね。

どのような起業家や企業に入居してほしいですか?

特定の業界や領域は絞らず、成長フェーズにある方々に選んでいただきたいと考えています。単なる場所の提供だけでなく、「ここで一緒に頑張っていきたい」と新たなつながりやきっかけを求めている方に集まっていただけたら嬉しいです。

INCU Tokyoに参画された理由と、期待していることをお聞かせください。

ブランドを成長させていく上で、他のインキュベーション施設の取り組みや知識、経験を学びたいという想いで参画しました。実際に講座に参加してみて、コミュニティマネージャーに求められる視点について多くの気づきを得られました。他施設も見学させてもらい、悩んだときなどに客観的な意見がもらえる相談相手ができたことは大きな価値でした。

各施設にはそれぞれ特徴があり、ターゲットも異なります。たとえば海外展開やIT分野などの得意分野や、企業の成長フェーズなどに応じてうまく横の連携が図れることを期待しています。

記載内容は2025年2月時点のものです。

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